TOKYO HAIRDRESSING AWARDS 2018

HEAVENS / 小松 敦

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HEAVENS

小松 敦

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結果を早く望むのではなく
自分の良さを磨くため
フォトコンに挑戦してほしい

各部門の意味合いを考えて応募すべき

総評として、今年のクリエイティブデザイン部門は、全体的にきちんとヘアデザインを創った上で写真への落とし込み方が成熟してきています。でもその分、似てきている感じはしますね。評価されやすい作品を創るという意識はなくても、そうなってしまっている部分はあると思います。
逆にリアルデザイン部門のほうが時代に合ったオシャレな感じが創れているのではないかと感じました。中にはクリエイティブデザイン部門に出しているけど、リアルデザイン部門にエントリーしたほうが良かったのではないかと思う作品もかなりありました。これからは各部門の意味合いをきちんと考えるべきではないかと思います。

「心地良い違和感」が目を引いた

クリエイティブデザイン部門のグランプリは、写真、髪の毛の持つ、動く可能性を見たというか、やり過ぎないブレをカラー作品で上手く抑えている作品だと思います。実際はリアルなデザインですが、モデルやヘアのバランスが上手くミックスされて「心地良い違和感」を生み出しています。東京のオシャレな空気を感じますね。僕の個人賞は、ポストカードのように構図の要素がすごく凝縮された中で、髪の毛の持つウェーブ感や透け感が造形的に創られていてとても優秀な作品。ちょっとした傾きとか空間に対する置き方、コントラストの付け方も合っていて、ヘアの存在価値に独自のものを感じました。
リアルデザイン部門のグランプリは、ある意味、王道な感じの作品ではありますが、サロンワークのリアルヘアの中で今、必要とされる要素が全部入っていると思います。準グランプリの作品は、シェイプスタイルを色のコントラストでしっかり見せています。僕が個人賞に選んだ作品は、90年代のマニッシュとモデルの透き通った意志のある目線がリンクしていて、「似合わせ」ってこういうものなんじゃないかなと思いました。ヘアがその人の精神性まで感じさせる作品です。

グラフィック力も研究する必要がある

デザイナー自身が撮影するという文化が今のカタログ文化とリンクしているので、ある程度のレベルまできていると思うのですが、ここから、さらに上を目指すとなると、グラフィック力とかも研究する必要があるかと思います。しかし、やはりヘアありきでデザインを考えることは常に必要で、自分は何を表現するのかきちんと意志を持って作品づくりをしてほしいです。評価されやすい作品という意識はどこかに吹っ切っていった方がその先の可能性が出てくると思います。皆さんは美容の仕事を長くやられていくわけですから、今だけの結果を早く望むのではなく、自分の可能性を毎回チャレンジすることでステップアップしていく。自分の良さを磨くためにフォトコンに出るという考え方をしていただきたいですね。そういう意味では、ファッションに目を向けて時代感を感じながら生活するということが基本的に大事になってくると思います。