TOKYO HAIRDRESSING AWARDS 2018

VeLO / 鳥羽 直泰

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VeLO

鳥羽 直泰

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固定概念を外して
遊び心を取り入れながら
クリエイションを楽しんで!

相反するものもので生まれる美しさ

リアルデザイン部門は全体的にバランスが良くなってきています。攻撃的な部分とリアルな部分を良い加減で挑戦しているのが見えるのですが、まだヘアデザインということに固執している部分があるので、作品全体として、もう少し遊べたらいいのかなと思います。
グランプリ作品は、メイクで顔を汚したような遊び心があるし、準グランプリ作品は、カラーリングや陶器感のある肌に違和感があって面白いと感じました。僕が個人賞に選んだのは、ベリーショートのいわゆる坊主ヘア。でも、単なる坊主ヘアではなくて、トップの残し方と動かし方で色気や遊び心を生み出しています。女性像を想像した時にエッジか効いていてパンキッシュ。モデルさんもアナーキーな性格の人なのだろうと想像します。でも、そこにメイクや彼女の表情、しぐさ、ファッションでインテリジェンスにもっていこうとしているので、どこか品のある人に見えるのです。もし、僕が高級レストランで見かけたら「この人何者? どの階層の人?」と引き込まれて目が離せないと思う。相反するものを掛け合わせた時に起こる美しさ。僕はそこにビビッときましたね。

引いた写真でもインパクトは出せる

リアルデザイン部門に比べ、クリエイティブデザイン部門のほうが全体的に、おとなしめの印象。ヘアで新しいもの、ざん新なものを追求することは賛成なのだけど、+αもう少しくだけた部分がほしい。写真の中にも、もう少し遊び心を入れられるのではないかなと思い、今回は個人賞で引いている構図の作品を選びました。ともすればヘアの印象が弱くなるとか、寄りの作品よりインパクトで負けてしまいがちだと思われるかもしれないですが、髪の毛が役割を果たしていて、一枚の写真の中にストーリーが加わっているものであれば、全然いいと思う。ヘアスタイルの印象とちょっとノスタルジックで詩情的な感じが違和感を生んでいる作品で、トータルで僕の好きなテイストの写真ですね。この写真をプリントの状態まできちんと創り上げようとしたのが伝わってきます。ヘアが上手なのか聞かれると、そこまでディティールが見えないのでわかりませんが、これってサロンワークと似ていて、とてつもなく技術的に上手くても、女性像や印象が創れないと意味がないと思います。

視野を広げて色々な構図で撮影してみよう

応募総数も増えてきましたし、皆さん、色々と試行錯誤されていると思います。自分で撮る方もカメラマンさんにお願いする方も、撮影する時に、ど真ん中に顔が必ずあるみたいな固定概念を外して、視野を広げてみてほしいですね。クリエイティブデザイン部門のグランプリ作品も、寄りの写真にしては上が抜けている構図になっている。余白の抜き方にはセンスがいりますが、こういう遊びを覚えてもらうと、もっとクリエイションが楽しくなると思いますよ。賞を当てにいくよりも、楽しんで、それで思いっきり負けたのなら気持ちがいいじゃないですか!