TOKYO HAIRDRESSING AWARDS 2018

WWD Beauty / 大出 剛士

大出 剛士
WWD Beauty

大出 剛士

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日本人の髪の美しさや
エイジレス、時代性を
追求した作品に期待したい

ファッショントレンドの影響を強く感じた

私は技術者ではないので、編集者として『WWDビューティ』のカバーとして使いたいと思わせるものを基準として両部門を審査しました。また、ヘアスタイルだけではなくトータルビューティーとしてみた時に、バランスがとれているかもポイントとして見ました。
クリエイティブデザイン部門は、全体的にすごくレベルが上がっていると思いましたが、似たような作品も多かった。ファッションで言えばGUCCIの世界観。影響力の大きさを感じましたね。
私が特別賞に選んだ作品は、似合わせがとても上手。メイクとのバランスも良く、今年の秋冬コレクションでみられたグリッターメイクも上手く取り入れています。シャギーの入ったヘアは80年代の感じもするけど、未来っぽさも感じられます。女性像はワークアウトに励む現代女性の「強さ」や「ノージェンダー」といったキーワードにも当てはまり、時代性が現れている作品です。

トータルビューティーのバランスが良い作品

リアルデザイン部門は、今回も審査をする上でリアルとクリエイティブの線引きが難しかったですね。中途半端な作品も多く、徹底的にリアルで攻めた作品が、もう少しあってもいいのかなと思いました。私はリアルデザインこそ日本人モデルを使って素敵なスタイルを提案している作品を選びたいと思っていたのですが、少なかったですね。私が特別賞に選んだ作品は、ハーフモデルだと思いますがトータルビューティーという意味でファッションとのマッチングが良く、ファッションフォトとして美しいと思いました。奇抜なカラーデザインが多かった中、黒髪で勝負しているところにも潔さを感じたし、モデルの骨格や顔の印象、キャラクターに似合っているバランスの良い作品です。

美容以外のことにも興味の幅を広げて

今、時代は高齢化社会へ向かっています。若い人がキレイなのは当たり前。例えば50、60代のモデルを使って素敵な作品を創ったら、それはそれでアリなんじゃないかと思います。アンチエイジングではなく「エイジレス」。グレイヘアをイキイキと見せるなど、年齢に抗うのではなく、受け止めた中での格好良さや美しさを追求してほしい。今回は大人のモデルを使った作品も探したのですが、残念ながらありませんでした。来年に期待します。
それと、今は化粧品業界が好調で「メイド・イン・ジャパン」が注目されていて、外国人旅行者も日本製コスメを多く買われています。ヘアの技術も、東京2020オリンピック・パラリンピックに向けて、現代の日本人女性の黒髪や髪質の良さを活かしたスタイルを積極的に発信してほしいですね。また、美容だけでなく、興味の幅を広げてほしいと思います。ファッションだけでなく、ライフスタイル、食、知性など、その人の内面から滲み出る「トータルな美しさ」を追求していくと時代性が必然的に形になっていくと思います。感度の高い人や全てにおいてセンスのある人は間違いなく素敵な技術者になっていくと思うので期待しています!