WWD Beauty / 大出 剛士

WWD Beauty

トータルバランスで
美しさを表現したフォト作品を
期待しています。

大出 剛士


TOKYOらしいトレンドや文化を感じた

 今回、初めて審査に参加させていただきましたが、全体を通して、両部門ともリアルとクリエイティブの線引きが非常に難しかったこと、また、人によってセンスに差があることを感じました。傾向としては、流行のノージェンダーを意識したモデル選びなど、ちょっとしたところにTOKYOならではといった文化を感じました。
 僕は美容師ではなく、ずっとファッション誌の編集をやってきた人間なので、ヘアの技術的なことではなく、このフォトが今のファッショントレンドもちゃんと理解しているものか、クオリティー全体の完成度で評価をさせていただきました。海外ファッション誌のフォトは、ヘアとメイク、ファッションが融合しています。今回は、ヘアだけが突出することなく、トータルで見た時に違和感がないもの、作品として単純に美しいな、好きだなと思えるものを重視して選びました。

写真全体の雰囲気が好きなものを評価

 リアルデザイン部門で特別賞に選んだ作品は、ユニセックスなスタイル。僕自身も真似してみたいと思いました。マッシュは日本人に似合うスタイルだと思うのですが、その中で髪の質感の重さや日焼けした肌、そばかすのような感じが、不思議なバランスを保っています。また、今は質感の粗いポラロイドやスナップ的なフォトが流行っていますが、この作品はそんな今の気分が反映されていて、全体の雰囲気が好きな作品でした。クリエイティブ部門は、「クリエイティブって何なんだろう?」と自分に問いながら審査をしました。その中で目を引いたのが、特別賞に選んだ作品です。髪の毛のテクスチャーやメイクをあえてキレイにし過ぎていないところ、前髪のバランス感、あえて襟だけにしたゴシック感のあるファッションが全てヘアに合っています。ちょっと風が吹いている感じで抜け感、空気感が今っぽい。フォトとしてヨーロッパのファッション誌に出てもおかしくないクオリティーだと思い評価しました。

グローバルな視点で日本人の美しさを表現して

 先にも触れたように、ヘアだけでなく、写真、ファッション、トレンド、さらには、インナービューティーや女性のライフスタイルまで含めて、しっかりアンテナを張り巡らせ、トータルバランスを考えることができる美容師さんがもっと増えてほしいと思っています。THAは、そうした美容師さんの手で、ヘアデザインだけでなく、今後の女性が目指すべき美しさや生き方が見えるようなフォトコンテストになることを期待しています。それから、本当は日本人モデルを使った作品を選びたかったのですが、今回は残念ながら両部門とも外国人モデルを使った作品の方が素敵に見えてしまいました。日本人モデルはハードルが高いからこそ、あえてこのような機会にチャレンジをしてほしいのです。だからといって、お決まりのアジアンビューティーを表現した方向性ではなく、あくまでもグローバルな目線で。東洋人の肌の美しさや日本人の良さをしっかり理解して、それをさらに美しくクリエイティブに表現してくれたら嬉しいです。

Model Parameters

Model Skills